「蜂の子」と呼ばれる蜂の幼虫やサナギには、ストレスを緩和させてくれる栄養成分が多く含まれています。
その一つが必須アミノ酸であるトリプトファンで、蜂の子100mgあたりに約0.09mg程度含まれています。
トリプトファンが脳内に運ばれると、脳内の神経伝達物質である「セロトニン」が生成されます。
このセロトニンは、ストレスやネガティブな感情を抑えて、気持ちを安定させる働きがあります。
また、ストレスによって自律神経の一つである交感神経が興奮することを抑制し、安定した精神状態を保てるように働きます。
このセロトニンが不足してしまうと、ストレスに弱くなったりネガティブな感情のコントロールが難しくなったりして、うつ病に繋がる恐れがあるのです。
セロトニンを生成するトリプトファンは、体内で合成することができない必須アミノ酸であるため、トリプトファンが多く含まれる蜂の子などから摂取することが大切です。
しかし、トリプトファンの摂取目安量(体重1kgあたりに約2mg)を超えて過剰に摂取してしまうと、肝臓で脂肪の変化が起こり、肝硬変を招いてしまう恐れがあるので注意しましょう。
トリプトファンからセロトニンが生成されると、そのセロトニンによって睡眠ホルモンであるメラトニンが生成されます。
このメラトニンがしっかり分泌されることで、睡眠の質が向上し、ストレスの解消にも導かれるのです。
セロトニンはメラトニンの生成だけでなく、ストレスホルモンであるコルチゾールの働きを抑制することができます。
コルチゾールとはストレスと戦うホルモンですが、過剰に分泌されてしまうと成長ホルモンの分泌を抑制したり、高血糖による病気のリスクを増やしたりするなど、健康面に様々な悪影響を与えてしまうのです。
セロトニンが増えると、コルチゾールの働きを抑制することができますが、反対にコルチゾールが増えてしまうと、セロトニンの働きが抑制されてしまうのです。
このためストレスを減らすためには、セロトニンが不足しないようにトリプトファンが多く含まれる蜂の子などを積極的に取り入れることが大切です。
岐阜大学医学部付属病院の青木光広臨床准教授の研究グループが行った調査では、蜂の子を2週間摂取した人のコルチゾールの値が低下していることがわかりました。
このように、蜂の子によるストレスの緩和効果は、実験によって実際に認められているのです。
蜂の子には、ストレスを減らす働きがある「チロシン」も含まれています。
チロシンも、トリプトファンと同様に必須アミノ酸の一種であるため、体内で生成することはできません。
チロシンは、脳内伝達物質のドーパミンやノルアドレナリン、アドレナリンなどの材料になります。
このチロシンを摂取することによって、ストレスを解消したり、脳を目覚めさせて集中力を高めたりすることができるのです。
チロシンは、蜂の子100mgあたりに約0.41mg程度含まれています。
蜂の子には、脳内の神経伝達物質の生成に必要な成分であるトリプトファンとチロシンが含まれています。
これらの成分によって、神経伝達物質であるセロトニンやドーパミン、ノルアドレナリンなどが生成されてバランスが保たれ、ストレスの融和が叶えられるのです。
参考URL
蜂の子はストレス対策に効く食品。どんな栄養素が役に立つ?
https://mame-shiba.info/tv/onair.html
心と身体の疲れに!蜂の子はストレスを和らげる?
https://www.eurolupa.org/dna-tests-available/